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太陽光発電シミュレーション Solar-Meshの開発経緯
STORY
気象ビジネスのノウハウを太陽光発電に活かしたい!
当時、太陽光発電については素人でした。
現状を知ってすぐにアイディアが浮かびました。
私は気象の世界にずっと携わっており、気象衛星、レーダー、アメダスなどの各種気象データを
組み合わせ、加工して新たなコンテンツやサービスを作り出す仕事をしてきました。
あることがきっかけで太陽光発電の仕事に関わることになったとき、
シミュレーションで用いられている日射量データが限られた地点にしかなく、
しかも過去の平均値の統計データを用いていることに対して、違和感を覚えました。
気象の専門家である私から見たら、これは奇異なことでした。
「どうしてそんないい加減なことが許されているのだろう?」
いくら太陽電池の性能を正しく評価しても、屋根の角度や影の影響を計算しても、
一番肝心なのは日射量のはずです。
実際、そのとき世の中にあったシミュレーションソフトの精度検証をしてみると、
誤差が倍以上になっていることもありました。
「データがないのだから仕方がない」、「所詮はお天気任せなので把握しようがない」
という思考停止に陥いることはしたくないという思いが湧き、
たとえ「雲をつかむような話」でも気象情報を活用して、不確定性まで折り込んだ上で
意志決定を行うべきだという考えに至り、私が持っている気象技術のノウハウを太陽光発電に
応用するため、Solar-Meshの開発を検討し始めました。
ヨーロッパの現状を見て
同じ発想がドイツにあったことを知り、心強くなりました。
いまや日本を抜き、太陽光発電導入で世界一に躍り出たドイツ。毎年ドイツで開かれている世界一の太陽光発電展示会 ”Inter Solar” に2005年に行ってきました。ドイツだけではなく、イタリア、スペイン、フランスなどヨーロッパ諸国の太陽光発電の盛り上がり方は大変なもので、熱気を直に感じ取ることができました。
そこで知ったのは、METEONORMという気象データベースの存在。ヨーロッパでも太陽光発電のシミュレーションソフトはいくつかありますが、どれもMETEONORMの日射量データベースが標準的に採用されているということを知りました。
METEONORM社も”Inter Solar”の展示会に出展していたので、話を聞きにいってみたところ、地上での気象観測点だけでは密度が小さく、隙間が生じる地域では、気象衛星やレーダーなどのリモートセンシング技術を使ってデータベース化しているとのこと。
まさに私の発想と同じでした。仲間を得たように感じ、日本でもヨーロッパに負けず太陽光発電を普及させるためには、日射量データベースの開発が必要だと意を強くしました。
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