雲をつかむ

COLUMN

~当社のシミュレーションについてのご紹介~


太陽光発電の性能である発電量は、概ね日射量によって決まります。もちろん太陽電池のスペックにもよりますが、太陽電池をつける場所の気象条件が大きく左右するといえます。
Solar-Meshでは、気象情報を活用し、まさに雲をつかむような不確実性まで織り込んだ上で意志決定を行うために考えられたシミュレーションをご提供しております。

1. 太陽光発電に使われている日射量データの現状

太陽光発電システムを評価するにあたって、日射量の情報は欠かせません。しかしながら、日射量の地上観測地点は限られており、気象庁による観測は日本全国でわずか65箇所に限られています。そのため、実際に太陽光発電システムを構築したい場所に日射観測データがない場合には、最寄りの観測地点のデータで代用するか、新たに日射計を用意して、測定を行うかする必要がありました。 前者は気象条件の違う場所での日射データを使うことによって、その信頼性が保証されませんし、後者は日射測定のコストが問題となり、また評価に時間がかかってしまいます。 気象衛星ひまわりでは、地球表面や大気、雲で反射されたエネルギーを観測できるので、どの地点でも均一な精度で日射量を推定することができます。Solar-Meshでは、気象衛星ひまわりから推定した日射量をデータベース化し、ユーザ様に発電量シミュレーションを行っていただけるようにしました。

2. Solar-Meshの日射量データの性能

図1は、名古屋の気象観測地点において、実際に測定した日射量と、Solar-Meshによるシミュレーション推定日射量、従来のシミュレーションでよく利用されている平均日射量データを比較したものです。7日間にわたり、毎時間毎のデータをグラフにしています。各日の正午頃に日射量がピークに達していますが、ピークの大きさはその日の天候によって変わることがわかります。このような天候の変化による日射量の傾向をSolar-Meshでは上手くシミュレーションできています。 一方、平均日射量データは、過去30年の平均を出したものです。平均化されているため、日々の天気の変化がグラフには表れてきません。また、平均日射量を使う場合だと、例えば豊橋や岐阜の地点の日射量も名古屋のデータを代用することになりますが、Solar-Meshの場合は、その地点でのピンポイントの日射量データを利用することができます。

hourly_irradiation
図1:日射量時間変化の比較


3. 気象衛星ひまわり画像と日射量マップの例

図3は図2の気象衛星ひまわりの全格子上で日射量をシミュレーションし、分布を表示したものです。雲がかかっているエリアでは日射量が小さくなっていることがわかります。

gms    irradiation
図2:気象衛星センター提供:気象衛星ひまわり画像    図3:Solar-Meshの日射量マップ


Solar-Meshでは、このようにして「雲をつかんだ」データを皆様に使っていただけるようになっております。お気軽にシミュレーションをお試しいただき、皆様のお住まいの地域の気象条件を知るところから始めてみてください。